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労災保険
特別加入制度について(一人親方その他の自営業者)
目次:
T 特別加入の範囲について
U 特別加入の手続について
1.新たに特別加入を申請する場合について
2.既に特別加入を承認されている場合について
V 特別加入時の健康診断
1.健康診断が必要な場合
2.健康診断が必要な場合の手続について
3.特別加入が制限される場合
W 業務災害の防止について
X 給付基礎日額及び保険料について
Y 補償の対象となる範囲について
1.業務災害について
2.通勤災害について
Z 保険給付・特別支給金の種類について
[ 支給制限
\ 特別加入者としての地位の消滅
1.脱退により消滅する場合
2.自動的に消滅する場合
3.取消により消滅する場合

平成22年1月12日更新

 労災保険は、本来、労働者の負傷、疾病、障害または死亡に対して保険給付を行う制度ですが、労働者以外の方のうち、その業務の実状、災害の発生状況などからみて、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の方に対して特別に任意加入を認めているのが、特別加入制度です。
 特別加入には、次の4種類があり、それぞれその加入者の範囲、加入要件、加入手続き、加入時健康診断、業務上外の認定基準(保険給付の対象となる災害の範囲)などが定められています。


T 特別加入の範囲について

 労働者を使用しないで事業を行うことを常態とする一人親方その他の自営業者及びその事業に従事する方(以下「一人親方等」といいます。)のうち、次の種類の事業を行う方が特別加入できます。
  • 自動車を使用して行う旅客又は貨物の運送の事業(個人タクシー業者や個人貨物運送業者など)
  • 建設の事業(大工、左官、とびの方など)
  • 漁船による水産動植物の採捕の事業(漁船に乗り組んでその事業を行う方に限ります。)
  • 林業の事業
  • 医薬品の配置販売(薬事法第30条の許可を受けて行う医薬品の配置販売業をいいます。)の事業
  • 再生利用の目的となる廃棄物等の収集、運搬、選別、解体等の事業
  • 船員法第1条に規定する船員が行う事業


U 特別加入の手続について

1.新たに特別加入を申請する場合について
 一人親方等としての加入要件を満たす方が特別加入する場合、一人親方等の団体(注)を単位として特別加入することとなりますが、一人親方等の団体は、所轄の労働基準監督署長(以下「署長」といいます。)を経由して都道府県労働局長(以下「局長」といいます。)に対して特別加入申請書(以下「申請書」といいます。)を提出し、承認を受ける必要があります。
(注)一人親方等の団体について
 一人親方等の特別加入については、一人親方等の団体を事業主、一人親方等を労働者とみなして労災保険の適用を行うこととなりますが、この一人親方等の団体として認められるためには、次の要件を満たすことが必要です。
  • 一人親方等の相当数を構成員とする単一団体であること。
  • その団体が法人であるか否かは問いませんが、構成員の範囲、構成員である地位の得喪の手続などが明確であること。その他団体の組織、運営方法などが整備されていること。
  • その団体の定款などに規定された事業内容からみて労働保険事務の処理が可能であること。
  • その団体の事務体制、財務内容などからみて労働保険事務を確実に処理する能力があると認められること。
  • その団体の地区が、その主たる事務所の所在地を中心として労働保険徴収法施行規則第6条第2項第4号に定める区域に相当する区域を超えないものであること。
  • 特別加入の申請を行う際には、一人親方等の団体は、作業の具体的な内容、業務歴及び希望する給付基礎日額等を申請書に記入し、署長を経由して局長に加入申請を行い局長の承認を得るという手続が必要となります。
     申請書には、一人親方等の団体における定款、規約等の目的、組織、運営などを明らかにする書類と業務災害の防止に関して一人親方等の団体が講ずべき措置及び一人親方等が守るべき事項を定めた書類を添付しなければならないこととされています。
  • 特別加入の申請に対する局長の承認は、当該申請の日の翌日から起算して14日の範囲内において特別加入を申請する方が希望する日となります。
2.既に特別加入を承認されている場合について
  • 既に特別加入を承認されている方で、氏名や作業内容等に変更があった場合、一人親方等の団体は、「特別加入に関する変更届(以下「変更届」といいます。)」を署長を経由して局長に対して提出することが必要です。
  • 既に特別加入を承認されている一人親方等の団体において、新たに一人親方等として特別加入の申請を行う方が生じた場合、当該団体は、申請書ではなく変更届を署長を経由して局長に提出してください。
    また、当該団体の一部の方が特別加入者としての要件に該当しなくなった場合にも、変更届を提出することが必要です。
  • 特別加入の変更届出に対する局長の変更決定は、当該申請の日の翌日から起算して14日の範囲内において変更届出を行う方が希望する日となります。


V 特別加入時の健康診断

1.健康診断が必要な場合
 特別加入を希望する一人親方等のうち、次の表に記載されている「特別加入予定者の業務の種類」欄に応じて、それぞれの従事期間を超えて当該業務を行ったことがある場合には、特別加入の申請を行う際に健康診断を受ける必要があります。

健康診断が必要な業務の種類
特別加入予定者の業務の種類 特別加入前に左記の業務に従事した期間
(通算期間)
実施すべき健康診断
粉じん作業を行う業務 3年 じん肺健康診断
振動工具使用の業務 1年 振動障害健康診断
鉛業務 6カ月 鉛中毒健康診断
有機溶剤業務 6カ月 有機溶剤中毒健康診断

2.健康診断が必要な場合の手続について
  • 特別加入を申請する一人親方等で健康診断が必要な場合、一人親方等の団体は、初めに特別加入時健康診断申出書(以下「申出書」といいます。)を署長に提出します。
  • 申出書の業務歴から判断して健康診断が必要であると認められる方(以下「加入時健診対象者」といいます。)に対しては、署長から特別加入健康診断指示書(以下「指示書」といいます。)及び特別加入時健康診断実施依頼書(以下「依頼書」といいます。)が交付されます。
    加入時健診対象者は、指示書に記載された期間内に指示された診断実施機関で健康診断を受ける必要があります。また、受診する際には依頼書を当該診断実施機関に提出します。
    なお、この場合の健康診断に要する費用は国が負担しますが、受診のために要した交通費は自己負担となります。
  • 健康診断を受けた方は、当該診断実施機関が作成した「健康診断証明書」(特別加入者用)を申請書に添付し、署長に提出してください。
    じん肺健康診断を受けた場合には、じん肺の所見がないと認められた場合を除き、エツクス線写真を健康診断証明書に添付することが必要です。
  • 申出書は、申請書と同時に署長に提出することもできます。この場合には、健康診断受診後、速やかに健康診断証明書を署長に提出してください。
  • 既に特別加入を承認されている一人親方等の団体において、新たに特別加入の申請を行う方が生じた場合、健康診断が必要な方については、当該団体が申出書を署長に提出し、指示書及び依頼書が交付された後、健康診断を受診し、変更届にその健康診断証明書を添付して提出してください。
(注) 健康診断証明書を提出しなかったり、あるいは、業務の内容、業務歴等について虚偽の申告を行った場合には、特別加入の申請を行っても承認されなかったり、保険給付が受けられない場合がありますので注意してください。

3.特別加入が制限される場合
加入時健康診断を受けた結果、次の場合には特別加入が制限されます。
  • 特別加入予定者が既に疾病にかかっており、その症状または障害の程度が一般的に就業することが困難であって、療養に専念しなければならないと認められる場合には、従事する内容にかかわらず特別加入は認められません。
  • 特別加入予定者が既に疾病にかかっており、その症状または障害の程度が当該業務からの転換を必要とすると認められる場合には、当該業務以外の業務についてのみ特別加入が認められることとなります。

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